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ZINE: 入船(ニューフネ)

¥1,200 税込

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僕も2年にわたって(密かに梅田さんと続けていたブログも含めるともっと長いし、最初の年は帰国できなくて、なのでもっと長くかかわってる感覚で)かかわってきた船のクルーズ作品にまつわるZINE。クルーズ自体は極めて一回性が強いというか、誰一人同じ経験をしてないんじゃないかっていうものだったのだけれど、それだけにこれは記録というよりも「同じような体験を本という形で口に出してみたら」みたいなもの。僕が最初にみた印象は、企画者から執筆者からデザイナーまでがすごく誠実に仕事してるなと思いました。なんというか「皆がこういうふうに仕事してると、世界ってきっと少しずつだけど良い方にいく」って思いました。実はこの冊子作ってる時期に僕自身は忙しくて(こんな文字書くの好きなのに。いや、だからこそ)執筆はほとんどできなかったんです。なので、さわひらきさんと西光雄輔さんの対談に登場したり、その後のブログに掲載した、米原昌郎さんとやってた坊主二人のユニット「右上」時代の油彩、西光さんのエッセイ、裏表紙の写真、あたりにだけ登場してます。
ひとつひとつ、クルーズが行われた川の水に浸されてヘロヘロしてます。一回性が高く、水辺で行われて再現できないイベントを再現する代わりに、手にとった人が川べりでこの雑誌を拾い上げたかのような「一回性」が代入、いや新たに生産されていると思います。


内容:

梅田哲也らによる船のツアー・パフォーマンス「5つの船(夜行編)/2015」「7つの船/2016」および、梅田哲也とhyslomの「船・2017」など一連のプロジェクトから派生するマガジンで、主に「7つの船」にまつわるテキストと、これにコラボレーターとして様々なかたちで参加した人々による寄稿で構成。
執筆者: 阿児つばさ、アンナ・プタック、雨宮庸介、飯沢未央、梅田哲也、河田聡、九鬼みずほ、さわひらき、辰巳量平、西光祐輔、堀尾寛太、hyslom、船川翔司、松井美耶子、山本麻紀子、ほか
アートディレクション・デザイン: 尾中俊介(Calamari Inc)
仕様: B5サイズ/60ページ/折れ、縒れ、破れ、くっつきあり/木津川もしくは尻無川の水に浸してから乾燥
価格: 1200円(税込・送料込)
WEBSITE: http://newfune.com/

※この商品は注文が確定後、「7つの船実行委員会」により日本国内より発送されます。

「入船」について
ひとたび夜に滑り出ると船はただの小さなアルミの塊になって、 水の上には路がありませんから、一瞬にして大きな地図の上でみえなくなってしまいます。感覚の話ですが、これはきっと圧倒的に自由であるということと似ています。油の混じった真っ黒い水の底に、実はたくさんの生き物が住んでいるのです。
となりの小さな堀川のウナギはおいしく食べられるだとか、その先の造船所に住みついた獣がこどもを五匹出産して住んでいるだとか、そもそもこの川の水を舐めるとちょっとだけしょっぱいのだということを、ほんの数年前まで知りませんでした。
お金持ちが土地を所有していたせいで橋の向きが違うとか、川底に貴重な陶器が沈んでいるとか、有名なお菓子のルーツが川沿いにあったのだとか、話として知らないことには想像もつかないようなことがある一方で、かつてここが海であった名残りは地名や地形などで街のいたるところに散らばっていて、水門をひとつ抜けるとそのまま世界の海とつながっているということは、みんなが知っているあたりまえのことでもあるわけです。知っているのに見えづらくなっているからこそ、その小さな根拠をつきつけてくる身近な体験にとりつかれてしまうのかもしれません。
この本は、夜のクルーズで一度は川に流れてバラバラに散らばったその小さな出来事の断片を、もう一度海の底からすくい上げてホッチキスで閉じたものです。黒い水の底への入り口として。入船。
梅田哲也

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